demand & supply

「需要」と「供給」の元となった、「demand」と「supply」を調べてみました。
出典は『ジーニアス英和大辞典』(大修館書店)です。

demand
本義「(上から)課する」
【動】(~を)要求する、必要とする
【名】要求、請求、需要

 

demandは中世ラテン語の「demandare(任せる、手渡す)」に由来するようです。
これは、「de-(強意)+-mand(課す)=沈黙・服従などをはっきりと命ずる」という意味があり、commandやrecommendと関連があります。

supplyとともにフランス語経由(ノルマンコンクエストの影響)で、名詞としては13c(1280年頃)、動詞としては14c(1382年頃)に使われだしたようです。

※the Norman Conquest
ノルマン征服:1066年;William the Conquerorの率いるノルマン人によるEngland征服

supply
本義「(足りないものを)十分に(sup)満たす(ply)」
【動】(~を)供給する、配達する、補充する
【名】供給、支給、必需品、備蓄

 

supplyはラテン語「SUP‐+plēre 」に由来するようです。これは、「sup-(十分に)+plēre (満たす)」という意味があります。

14c(1375年頃)に使われだしたようです。

似た単語にサプリメントがあります。
supplement:補足、増刊号、栄養補助食品
「supple-(満たす)+-ment(こと)」

demandには「よこせ!」、supplyには「どうぞ」というイメージがあります。

この原語から「需要」と「供給」としたのは、なかなか上手い訳だと思います。

「供給」という漢字

「需要」に続いて、今回は「供給」です。
「供」…両手でささげる → 「どうぞ」
「給」…つぎたす → 与える

まずは「供」から。

「供」キョウ、ク、そな(える)、とも
(そなえる、差し出す、とも)「供」の原字は「共」。ある物を左右の両手で、うやうやしくささげるさまを示す。ものをささげる動作は、両手を同時に動かすため、共は「ともに」や「いっしょに」の意に転じ、のちに、「イ」(ひと)をそえた「供」が、「ささげてそなえる」というもとの意味をあらわすようになった。

 

続いて、「給」です。

「給」キュウ、コウ
(たりる、たす、あたえる、たまう)「糸+合(欠けめをふさぐ)」で、織り糸の欠けた所をすぐつぎあわすことを示す。そこから、足りないところや欠けたところにつぎたす意味に使う。(

「供給」は、「給」の字で「足りないもの、つまり必要なもの(需要)をあたえる」という意味になります。
「供」の字には「これどうぞ」という、うやうやしさが含まれております。

「需要」という漢字

「需」・・・雨にヒゲがぬれて → 欲しい
「要」・・・腰をクイっと → しめる!

「需要」という言葉をはじめて見たとき、どうも耳慣れない&見慣れない漢字だなと思ったものです。今回、漢和辞典でしらべてみました。出典は『漢字源(改訂第四版)』(2007年)などです。

まずは、「需」から。

「需」ジュ、シュ、ス
(もとめる、もとめ、まつ、よわい)

「而」は、柔らかなひげ(または、ひも)の垂れたさまを描いた象形文字。「需」は「雨+而(柔らか)」で、雨水にしっとりぬれて柔らかくなり、動きがにぶること。しっとりとぬれて動かず、何かをあてにしてまつ意。

 

「需」は、雨にぬれて、「傘、欲しいな」とか「あったかいもの欲しいな」と思う様子みたいです。

つづいて、「要」。これは「必要」の要ですから、「需」よりは身近な漢字です。

「要」ヨウ、い(る)
(こし(腰)、物事をしめくくる、もとめる、まつ、かなめ)

「両手を表す字」+「頭もしくは背骨を表す字」+「女」で、左右の手でボディーをしめつけて細くするさま。女印は女性のこしを細くしめることから添えた。

「g(に似た字)」(背骨)と「∩」(両手)と「臼(正確には下の部分も離れている)」(足)とを合わせて、人がこしを両手でおさえているようすを表す。「腰」(こし)の原字。こしにひもをしめることから、「しめくくる」「しめくくりのたいせつなところ」の意味に使う。

 

「要」は、「しめくくり」の意味で、「!」のイメージです。

まとめると、「需要」とは「欲しい!」ということになります。