1.経済学の世界観
2.消費者と効用
3.生産者と利潤
4.市場のしくみ
5.市場の失敗
6.貨幣と金融
7.政府と財政
8.貿易と為替
あらすじ
1.経済学の世界観
経済学では、「市場」(しじょう:market)のしくみをまなびます。「市場」とは、「商品」を売り買いするところです。このとき、売り買いの仲立ちとして、「お金」をもちいます。
▼「1-1.商品とはなにか?」では、売り買いされる商品の定義をまなびます。「1-2.お金とはなにか?」では、お金という不思議な存在の役割をみていきます。「1-3.市場という舞台」では、「需要と供給」ということばの整理をしておきます。「1-4.経済学の世界観」では、経済学という学問の考え方、もののとらえ方をみていきます。「1-5.メインキャラクター」では、市場を構成する「家計」、「企業」、「政府」の役割を整理します。
2.消費者と効用
中学でまなんだ「需要曲線」は、価格と需要量(消費量)の関係をあらわしていました。そして、需要曲線の形は「右下がり」でした。これは、商品の価格が下がると、欲しいと思う量(需要量)が増えることをあらわしています。このことは、日常生活の経験からも理解できる一種の法則です。では、なぜそうなるのでしょうか?このような、一見「あたりまえ」に思えることに対して、そのメカニズムを明らかにしていくのが経済学という学問です。
▼商品を購入する「消費者」の行動を分析するために、「2-1.満足感を求めて」では、消費者の欲求を「効用」ということばで定義していきます。続いて「2-2.予算の壁」では、消費をおこなうときの予算の制約をまなびます。さらに「2-3.消費者の役割」では、国全体からみた消費者の役割をみていきます。
3.生産者と利潤
中学でまなんだ「供給曲線」は、価格と供給量の関係をあらわしていました。そして、供給曲線の形は「右上がり」でした。これは、商品の価格が上がると、売りたいと思う量(供給量)が増えることをあらわしています。この「供給曲線」は、「生産者」の行動をあらわしています。生産をおこなう企業は、「利潤」を得るために活動をしております。なるべく多くの利潤を得るためには、なるべく使うお金(費用:コスト)を少なくすることが必要です。
▼「3-1.利潤を求めて」では、企業が生産する財やサービスの意味をみていきます。続いて「3-2.コストの壁」では、どのようなものに対して費用を用いるかを理解します。「3-3.完全競争の仮定」では、ミクロ経済学の前提をまなび、「3-4.生産者の役割」ではマクロ経済学の前提をまなびます。
4.市場のしくみ
消費者と生産者が、売買をおこなうのが「市場」です。消費者の行動は「需要曲線」で、生産者の行動は「供給曲線」であらわされます。
▼「4-1.市場の均衡」では、需要と供給が一致すると、価格(均衡価格)と取引量がきまることを確認します。「4-2.資源の配分」では、のぞましい資源配分についてまなびます。
5.市場の失敗
人々の欲望は限りがありません。でも、人々が欲しがる資源には限りがあります。貴重な資源を人々の間で分配するためには、いろいろなやり方が考えられますが、現在の主流の経済学では、「市場のしくみにまかせる」ことが大きなテーマとなります。そこで、まずは、「自由な競争」がおこなわれている望ましい状況を想定して分析をおこないます。このような市場を「完全競争市場」といいます。現実には、この「完全競争市場」は、なかなか成立せず、どうしても「不完全競争市場」になってしまいます。
▼「5-1.独占の問題点」では、このような不完全競争市場についてみていきます。
また、たとえ「完全競争市場」が成立していたとしても、市場では解決できない問題もでてきます。これは「5-2.市場の失敗」でまなびます。
6.貨幣と金融
財やサービスの売り買いは、実際にはお金(貨幣)をもちいておこなわれます。売り買いに使われるから便利、という点では、お金は単なる道具にすぎません。でも、お金は、それ自体、人々が追い求める存在でもあります。このように、お金(貨幣)は世の中で特別な位置をしめております。
▼「6-1.貨幣の役割」では、「お金とは何か?」についてみていきます。「6-2.金融」では、お金の貸し借りをおこなう銀行の役割をまなびます。「6-3.中央銀行」と「6-4.金融政策」では、日本銀行の役割と政策についてみていきます。
7.政府と財政
政府は、公共施設や公共サービスなどの「公共財」を供給します。公共財は、民間の企業や個人では供給できない、さまざまな財やサービスです。これらの公共財をどのように供給するか、その財源をどうするかが「財政」の役割です。
▼「7-1.政府の役割」では、政府の仕事と財政ということばの意味をまなびます。「7-2.租税」と「7-3.公債」では、政府がどのようにして歳入を得るかをみていきます。「7-4.財政政策」では、政府のおこなう経済政策をまなびます。
8.貿易と為替
国と国の間で、財やサービスを売り買いすることが貿易です。
▼「8-1.貿易の役割」では、なぜ貿易をおこなうのかについてみていきます。「8-2.為替」では、円高や円安などの意味を確認します。「8-3.貿易政策」では、政府のおこなう政策の影響についてまなびます。
※ さらにくわしい学習は → 「経済学道場」
↓このコーナーの内容を、電子書籍にまとめました。
『数式とグラフを使わない経済学の予習: (付録)数式とグラフの考え方 Kindle版』