「漁師とニシン」不確実性

漁師がニシンを引き上げた。

ニシン「私はまだ小さいので、今日は逃がしてください。いずれ大きくなったら、私をつかまえてください。」

漁師「手元にある儲けを捨てて、不確かな希望をおいかけたら、俺はおろかではないか。」

たとえ小さくても、今ある儲けは、大きくても見込みにすぎない儲けよりものぞましいということをこの話はあらわしている。(イソップ寓話)

このお話は「不確実性」を理解するのに役立ちます。

将来の結果を事前に予測できないことを「不確実性」といいます。
例として、資産運用をかんがえてみましょう。

投資をおこなう人は、確実に得られる「効用」と、「不確実性」のある「期待効用」を比較して意思決定をすると考えられます。

このお話でみると、

  • 確実に得られる効用 → つかまえたニシン
  • 期待効用 → 今は逃がして、成長したらつかまえるニシン

ここで大事なのは、後者は、「つかまえられるかもしれない」ということです。つまり、ニシンをつかまえられる「確率」を考える必要が出てくるのです。

効用そのものを比べたら、「小さいニシン > 大きいニシン」です。

でも、手元にあるニシンを逃がして、それが成長して、またつかまるかどうかを考えた場合、漁師は「不可能>可能」と考えました。それがこのことばにつながります。

漁師「手元にある儲けを捨てて、不確かな希望をおいかけたら、俺はおろかではないか。」

不確実性についての詳しい説明は、こちらのサイトからどうぞ。

→「不確実性」(経済学道場)