王さまは玉座から立ち上がり、静かに言いました。
「長官よ、ご苦労であった。皆のものよ、すまぬ。」
その言葉に、人々は息をのみます。
(王さまが……!)
(陛下が頭を……!)
財務長官は、涙で顔をくしゃくしゃにしながら叫びました。
「そんな……わーん!」
「もう泣くな。ひどい顔だぞ。」
王は口元をゆるめました。
「ふふふ……ハハハハ!」
その笑いにつられるように、部屋中にくすくすと笑いが広がり、重苦しかった空気が少しずつやわらぎました。
やがて、王さまは、首にかけていたネックレスを出すと、そこにぶらさがっていた木の板を外しました。

「長官に、これを。」
お付きの者が、それを両手にもって財務長官に渡します。
長官は手に取り、不思議そうに見つめました。
「これは……?」