夕食を終えた王さまと王妃さまは、お部屋でくつろいでいました。
暖炉の火が小さくはぜ、窓の外には澄んだ夜空が広がっています。
そのとき、ひめさまが小さな足音を立てて入ってきました。

両手には、四角い木の板が3枚。表面には、ぎこちない文字で「かたたきけん」と刻まれています。
「お父さま、お母さま、これ……学校で作った肩たたき券です。いつでも使ってください。」
王さまは、そのうちの1枚を受け取りました。
「今は使わずに、とっておこう。」
低い声でしたが、その響きには確かな喜びがこもっていました。
ひめさまは、もう1枚を王妃さまに差し出します。
王妃さまはやさしく受け取り、両手で包み込むようにして見つめました。
残る1枚は、形が少しいびつな「失敗作」です。
「これは練習で作ったの」と、ひめさまは笑いながら、そっと机の上に置きました。
その夜遅く、窓際にある小さな机の上には、3枚の木の板が並んでいました。カーテンの隙間から差し込む月明かりが、それぞれの木の板を静かに照らしていました。月明かりが静かに差し込む中、ひとつ、ふたつ、そして最後のひとつが、それぞれ別の道へ歩み出すように見えました。
3枚のお札の旅が始まろうとしていました。