「……これだ!」
シンイチは、財務長官のもとへ駆け寄りました。

「長官、これです、これ!」
「……何がだ?」
「この板です。」
「わからぬが…」
「金も銀もいりません。人びとがこれを信じるなら、それだけで価値になるんです。」
財務長官が目を丸くします。
「信じるだけで……?」
シンイチは耳元で何やら囁きました。
しばしの沈黙の後、長官は大きくうなずきます。
「なるほど……!」
財務長官は勢いよく立ち上がりました。
周囲には驚きと笑いが入り混じり、その中で、新しい通貨の物語が静かに動き出そうとしていました。
