1-3.市場という舞台

取引がおこなわれる「市場」の構成要素をみていきましょう。

消費と需要

「財」や「サービス」を「買う」人々を「消費者」といいます。消費者が財やサービスを買う理由は、それらが「欲しい」からです。この、財やサービスを「欲しがる」ことを、「需要」(demand)といいます。

「demand」には「要求する」という意味があります。「消費」とは「買う」ことによってはじめて完了する行動です。これに対して「需要」は「買 おう」とする意思をあらわします。正確にはこの2つは違うのですが、基本としては「消費者」=「需要者」と考えてかまいません。

この「消費」をおこなう存在が「家計」(household)です。

生産と供給

「財」や「サービス」を「売る」人々を「生産者」といいます。生産者が、財やサービスを消費者に「与える」理由は、それによって「利潤」を得ることができるからです。この、財やサービスを「与える」ことを、「供給」(supply)といいます。

「supply」には「満たす」という意味があります。「生産」とは「売る」ことによってはじめて完了する行動です。これに対して「供給」は「売ろう」とする意思をあらわします。基本としては「生産者」=「供給者」と考えてかまいません。

この「生産」をおこなう存在が「企業」(firm)です。

市場

「需要」をおこなう「消費者」と、「供給」をおこなう「生産者」が、財やサービスの取り引き(つまり売買)をおこなう場が「市場」です。

政府の役割

「消費者」と「生産者」が財やサービスの取引をきちんとやっていくためには、「ルール」が必要です。また、何かトラブルが発生した場合、その解決を おこなう必要もでてきます。「ルール」をつくったり、トラブルを解決したりすることは、消費者と生産者の間で相互の交渉をつうじておこなうことも可能で す。

ただ、この両者の利害関係は、基本的に対立する性質がありますので、実際には、消費者と生産者を超えた「大きな力」をもつ存在が必要になってきます。ここで「政府」の役割がでてきます。

→ 1-4.経済学の世界観