第1の難所 微分の沼地

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ミクロ経済学は、はじめから難所が続きます。

おまけに、数学の知識も必要です。

関数、指数、そして、微分です。

計算のやり方については、こちらの「数学の基礎~7つの公式~ 」をご覧いただくとして、ここでは、なぜ「微分」が大切なのかを見ていきます。

点とは?

経済学では、グラフ上の点の座標を求める問題がよく出されます。

graph00c

点とは、「空間における正確な位置を定義するために使われる概念」で、「一切の体積、面積、長さをもたない」ものです(wikipediaより)。

グラフ上では、横軸の数値と縦軸の数値の組み合わせ、つまり「座標」で表されます。

この点の集まりが線になります。横軸の値と縦軸の値の間に、一定の関係がある場合、それは式では「関数」、グラフでは「曲線」として表されます。

この「一定の関係」には、さまざまなバリエーションがあります。よって、同じ点を通る複数の関数が想定できます。たとえば次のように。

graph00d

Aのグラフは、だんだん急になる傾きで描かれています。
Bのグラフは、直線で、傾きは一定です。
Cのグラフは、だんだん緩やかになっています。

微分は、別の情報を読み取ること

3つのグラフは、ここでは、ある点で交わっています。この点の座標は、どのグラフでも一緒です。

ですが、グラフの傾きをみると、同じ点でも、別の情報を読み取ることができます。

傾きがだんだん急になるグラフA上の点、
直線のグラフB上の点、
傾きがだんだん緩やかになるグラフC上の点、というように。

この別の情報を読み取るプロセスが、微分だと思ってください。

「傾きがだんだん急になる」とか、「傾きが一定」とか、「傾きがだんだん緩やかになる」ことを、式で表現するプロセスです。

ところで、この「点」ですが、正確に描くとこうなります。

—-この下に—–

 

—-この上に—–

そうです。実は、点は描けないんです。

これ→ ・ は、正確には点ではありません。拡大すると→ ● になってしまいますので。

このように、正確に定義を考えようとすると、かえって深みにハマってしまいます。

よって、数学が苦手は方は、こう感じてみてください。

  • 微分は、点の情報を読み取って、全体の傾向をまとめること。

苦手な場合は、微分へのスタンスは、「そんなものなのかな…」程度でいいです。

とにかく「数学の基礎~7つの公式~ 」が使えればいいと割り切って、ミクロの旅を続けましょう。

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次回は「無差別の丘」です。