直線の傾き
前回まなんだ需要曲線について、つぎの2通りの形をみていきましょう。
- 傾きが急な需要曲線
- 傾きがゆるやかな需要曲線
次の図のように、この2つの需要曲線が1点で交わっているとします。
この点での、価格と数量の組合せは、2つの需要曲線ともに同じです。
でも、傾きが違います。
この傾きの違いは何を意味しているのでしょうか?
「弾力性」という考え方
この図では、2つの需要曲線において、価格と数量(需要量)の組合せは同じでした。
でも、価格が変化したらどうなるでしょうか?ここでは、価格が下がるケースをみていきます。一般的に、価格が下がると需要量は増えます。
でも、その増え方に違いがあるのです。
傾きが急な需要曲線では、需要量は少ししか変化していません。
これに対して、傾きがゆるやかな需要曲線では、需要量は大きく変化しています。
このように、価格の変化率に対して、需要量がどれだけの割合で変化するかをみたものを、「需要の価格弾力性」といいます。
「弾力性」とは、「どれだけ変化するか」を割合でみたものです。
「需要の価格弾力性」とは、「需要が価格の変化に対してどれだけ変化するか(弾力性)」をみたものになります。
- グラフの傾きがゆるやかなほど、弾力性は大きくなります。
- グラフの傾きが急なほど、弾力性は小さくなります。
この考え方を、水平のグラフと垂直のグラフにあてはめてみましょう。
水平のグラフと弾力性
水平のグラフは、傾きがもっともゆるやかになった状態と考えられます。
よって、水平のグラフの弾力性はもっとも大きい「無限大」としてあらわされます。
垂直のグラフと弾力性
垂直のグラフは、傾きがもっとも急になった状態と考えられます。
よって、垂直のグラフの弾力性はもっとも小さい「ゼロ」としてあらわされます。
まとめ
「弾力性」ということばのイメージをつかんでおいてください。
- 水平のグラフ → 弾力性は無限大
- 垂直のグラフ → 弾力性はゼロ
→ U字型