04.弾力性

 

直線の傾き

前回まなんだ需要曲線について、つぎの2通りの形をみていきましょう。

  • 傾きが急な需要曲線
  • 傾きがゆるやかな需要曲線

次の図のように、この2つの需要曲線が1点で交わっているとします。

この点での、価格と数量の組合せは、2つの需要曲線ともに同じです。

でも、傾きが違います。

この傾きの違いは何を意味しているのでしょうか?

「弾力性」という考え方

この図では、2つの需要曲線において、価格と数量(需要量)の組合せは同じでした。

でも、価格が変化したらどうなるでしょうか?ここでは、価格が下がるケースをみていきます。一般的に、価格が下がると需要量は増えます。

でも、その増え方に違いがあるのです。

graph02d

傾きが急な需要曲線では、需要量は少ししか変化していません。

これに対して、傾きがゆるやかな需要曲線では、需要量は大きく変化しています。

このように、価格の変化率に対して、需要量がどれだけの割合で変化するかをみたものを、「需要の価格弾力性」といいます。

「弾力性」とは、「どれだけ変化するか」を割合でみたものです。

「需要の価格弾力性」とは、「需要価格の変化に対してどれだけ変化するか(弾力性)」をみたものになります。

  • グラフの傾きがゆるやかなほど、弾力性は大きくなります。
  • グラフの傾きがなほど、弾力性は小さくなります。

この考え方を、水平のグラフと垂直のグラフにあてはめてみましょう。

水平のグラフと弾力性

水平のグラフは、傾きがもっともゆるやかになった状態と考えられます。
graph03

よって、水平のグラフの弾力性はもっとも大きい「無限大」としてあらわされます。

垂直のグラフと弾力性

垂直のグラフは、傾きがもっともになった状態と考えられます。
graph04
よって、垂直のグラフの弾力性はもっとも小さい「ゼロ」としてあらわされます。

まとめ

「弾力性」ということばのイメージをつかんでおいてください。

  • 水平のグラフ → 弾力性は無限大
  • 垂直のグラフ → 弾力性はゼロ

→ U字型