1-1.商品とはなにか?

経済学では、商品とお金のやりとりを分析します。まず、これらのことばの意味を考えていきましょう。

財とサービス

売買されるものを「商品」といいます。商品は「財」と「サービス」にわけることができます。「」は形のある「もの」です。英語では「goods」(グッズ)といいます。なぜならば、売ったり買ったりできるほど「良いもの」だからです。これに対して「サービス」には形がありません。お金とひきかえに、自分の代わりに何かをやってもらう「こと」が「サービス」です。本来はこのように「財」と「サービス」は区別して用いるべきですが、経済学ではおもに「財」ということばをつかいます。(→財の分類(高校の政治経済)

価値

「商品」が売り買いされるのは、「商品」が「良いもの」や「良いこと」だからです。この「良さ」を「価値」といいます。よって、売り買いとは、「価値のやりとり」と考えることができます。

生産と消費

「価値」をうみだすことを「生産」といいます。「生産」をおこなうのが「生産者」です。これに対して、他人がうみだした「価値」を自分のものにすることを「消費」といいます。「消費」をおこなうのが「消費者」です。

交換

他人の「価値」を自分のものにするためには、こちらも代わりに「価値」を相手に与えなければいけません。このような「価値」のやりとりを「交換」といいます。交換のやりかたはいろいろあります。他人の「財」や「サービス」に対して、自分のもっている「財」や自分ができる「サービス」を与えることがあります。ただ、現在の社会では、この「交換」の「仲立ち」として、「お金」(貨幣)をつかうことがひとつの重要なルールとなっています。このような社会を「貨幣経済」といいます。

→ 1-2.お金とはなにか?