政府の収入はおもに「租税」によってまかなわれます。「誰から、どのように集めるか」によって、税はいくつかに分類することができます。
租税収入
政府の収入は主として税金(租税)によってまかなわれます。税金は国が集める国税と、地方公共団体が集める地方税とに分けられます。何に対して税金をかけるか。また、その税金を納める義務のある人がだれかということは、法律で定められています。
税金を納める義務のある人(納税者)と税金を実際に負担する人(担税者)とは、必ずしも一致するとはかぎりません。所得税や法人税については納税者と担税者が同じですが、酒税や消費税の場合には、納税者は生産者(酒税)、販売者(消費税)であるにもかかわらず、実際に税金を負担するのは消費者です。納税者と担税者が一致する税金を直接税、一致しない税金を間接税といいます。(130-131P:下線部は引用者による)
(税金がどこに集められるか)
- 国税・・・日本国政府が集めます。
- 地方税・・・都道府県と市町村が集めます。
(納税者と担税者による分類)
- 直接税・・・税金を納める「納税者」と税金を負担する「担税者」が同じ。
- 間接税・・・税金を納める「納税者」と税金を負担する「担税者」が別。
税額や税率については、「公正」をめぐる問題と深く結びついています。
租税と公正
所得税には、所得が多くなればなるほど税率(所得に対する税金の割合)が高くなる累進課税の方法がとられています。これに対して間接税の場合には、同じ商品を買うとだれでも同額の税金を負担しなければならないので、低所得者ほど所得にしめる税負担の割合が高くなる傾向があります。租税の公正を図るためには、所得税をその分軽減するなど、低中所得者層への配慮が必要です。(131P)
直接税の例としては、「所得税」があります。所得税は、所得が高くなるほど税率が高くなります。これを「累進課税」制度といいます。所得の高い人々から多くの税を集めて、財政支出によって所得の低い人にサービスを提供していくことによって、政府は「所得の再分配」をおこないます。
間接税の例としては、「消費税」があります。消費税の税率は、所得とは関係がありません。食料品などの生活必需品の占める割合は、所得の低い人々ほど高くなる傾向にあります。よって、消費税の負担は低所得者ほど高くなります。この傾向を「逆進性」といいます。
このように、租税は、そのしくみを変えることによって、国民生活に大きな影響を与えます。
→ 7-3.公債