1-1.経営学の全体像

経営学の学習内容については、さまざまな分類の仕方がありますが、ここでは5つに分けて説明していきます。

1.経営学とは?

経営学は実践的な学問であるため、さまざまな理論と無数の事例があります。はじめから細かい知識を丁寧にみていこうとするとかなり疲れます。そこで、まずは、経営学の全体的なプロセスと、キーワードをつかみます。ここで大切なのは、理論や事例を知ることよりも、「考える」ことです。

「何をやるのか」「どうやるのか」「どこでやるのか」「いつやるのか」・・・さまざまな考えることがあります。でも、何かを始めるときに一番大切なのは、「なぜやるのか?」です。つまり、自分との対話です。

2.組織論

次に、「誰」とどのように経営をおこなっていくのかを考えます。人は人と協力することによって、さらに大きな力を得ることができます。この力を最大限に発揮する方法を考えるのが組織論です。

まず、「どのように組織を作るのか」について組織構造を取り上げ、組織の内部と外部との関係を考えます。続いて組織の内部での意思決定について「やる気」や動機付けについて学びます。また、組織の方向性を決めるリーダーシップや、組織文化についてもみていきます。

3.戦略論

集まった人々が、どの方向に進むのかは非常に重要です。これを間違えると、せっかくの組織の力を生かすことができません。逆に、弱い組織であっても、うまいやり方をとれば、勝つこともできます。このような「やり方」を考えるのが戦略論です。

やり方についてランク分けや分類をおこなうのが経営戦略です。どの方向に進んでいくのかを考えるのが成長戦略です。ライバルに対してどのように優位な立場をとればよいかを考えるのが競争戦略です。

4.生産とイノベーション

組織は、価値のある財やサービスを生み出すことによって、戦略を実現することができます。商品をどう生み出すか、どうすれば魅力のある商品になるのかを考察します。そのときのキーワードが「イノベーション」です。

ここでははじめに、生産管理という考え方をとりあげ生産プロセスにおける「効率性」という考え方をおさえます。その上で、より革新的なプロセスとしてイノベーションの重要性をみていきます。そして、製品開発のプロセスを学びます。

5.販売とマーケティング

どんなに魅力的な商品であっても、売れないことには価値がありません。どうすれば売れるのか、これは商品の開発や価格の設定とも関わってきます。これらを考えるのが「マーケティング」です。

まず、マーケティングの種類やプロセスを学びます。ここでのキーワードは「ターゲット」(標的)と「セグメンテーション」(細分化)です。続いて、消費者の購買行動をとりあげ、製品戦略価格戦略について考察し、最終的には売るための流通チャネルプロモーションについて学びます。

1-2.経済学との比較